どんなに正しい(と自分が思っている)意見や考えであっても、それを押し付けることは正しくない。
特に問題の渦中にいる人に対して、外部からそれを行う場合はなおさらだ。
それをアドバイスだと勘違いしてしまっている人が多い。
渦中の人間は自分の問題に必死に取り組んでいる。ほとんどのパターンは検討済みだ。安全な場所から実のない意見を投げられても、たいていの場合、それに反応する時間が無駄になるだけだ。
自分には知識がある、経験豊かだ、と思っている人ほど、この愚をおかしやすい。
他人の過去の成功体験は、あまり役に立たない事が多い。時代が、シチュエーションが異なるからだ。
アドバイスが有効になるとき、それは、渦中の人がアドバイスを欲しているときだけだ。押し付けられた意見は邪魔でこそあれ決してアドバイスとはならない。
経験の多い先人に望まれる事は、後生を認める懐の深さと、見守る優しさ、そして自分の法則を書き留めて形式知とする事である。
押し付ければ有害でしかないその知識も、データとすることで後輩達の道標となる。