今日は母の七回忌のため福岡へ。
あれから六年。母の死は間違いなく俺の人生の大きな分岐点の一つだ。家庭を優先する、他人の弱さを認める、そんな優しい人格はこのときに形成された。
母は「知」の人であった。大江健三郎をはじめ、本を読む事は彼女から受け継いだ財産だ。話はせずとも二人同じ机で延々と読書を続ける、そんな間柄であった。
向学心、知的欲求、そんな言葉が彼女には似つかわしい。早稲田文学部の院を出てから、結婚、出産。母親業とともに塾講師、司書と「知」の仕事を続けていた。四十を過ぎてから心理学を学びに大学に通う姿や、同人誌で平家物語についての連載を続けていた姿に、俺は確実に影響されている。
法事に集まってくれた母方の親族は、みな控え目で知的、どこか母に似ている。俺や娘もこの流れに属しているのだろうか。
夜は親族で中洲のスナックへ行きカラオケ。89歳の祖母がウマイので驚く。流石、俺のルーツ(笑)。